けんぶつざえもん

見たり読んだりしたことについて、ときどき書きます

「オデッセイ」見てきた。

 原作未読です。

 冒頭、事故で置き去りにされる場面から治療の場面まで、しばらく心が痛んだりギャーッとなる場面があったりしたものの、その後は一定の前向きさ、諦めなさを保っていてすごいなあと思いました。
 処置の場面は、おおお自分でそれやっちゃうんだ…やるように訓練を受けてるんだな…!でかいホッチキスだ…! かっこいい…って思いつつそんなにアップにされるとつらい!という気持ちで動揺しました。見ごたえあるけど目はそらした。
 自分だったら仲間から隔たっていることに耐えられないかもしれないと思ったけど、通信手段を開いてからは遠くのチームのサポートを得ていて、励ましたりおちょくりあったりしていて、ずっと独りではなかったんだなという気にもさせられる作品でした。
 そりゃ勿論マークも素晴らしいんだけど、ジャガイモ食べたくなるかというとどうだろう…?という。前評判でもっと順調に行くかと漠然と思いこんでいたせいもあり、後半思った以上に空腹そうで悲しくなった。

 個人的には、ギークというのか、理系の…技術者的な…?(よくわからなくてふわっとしたことしか言えない)若干浮き世離れしたマイペース人たちが活躍するところを見るのが好きなので、その点とても満足です。中国系のおなかがおおきい人と力学さんが特にお気に入り。エルロンドにはにやっとしました。
 ただ私には登場人物の識別や役職の把握が追いつかなかったのと、誰がどんな専門を持った研究者なのか、一部の人は官僚出身の管理職なのか?(長官はスーツだけどその次にえらそうな白人のおじさんはもう少しラフなかっこうをしてるように見えた)とか気になったので原作小説を読んで確かめたいと思いました。

 船長が女性であることというか、メンバーの男女比?いや、うまく言えないのだけど、性別に特別な意味付けをしてなさそうなところに好感を持ちました。ですので、最後のほうのメットごしの内緒のやりとりにはやおいを感じました(最大限褒めている)。
 毛色が違うものを比べても仕方ないとわかっていてもテラフォを連想してしまうため、テラフォでメイン以外の女性キャラがお色気+何か恨みか仄暗い喜びでもあるのかと疑うレベルで惨殺されるのに比べると、なんと魅力的な女性描写だろう…と思ってしまった。比べても仕方ないんだけど、そして比べなくても実際に魅力的なんだけど。

 あそこで出てくるのが中国なのは、大国同士のやりとり、取引の緊張感、それを超えた(この辺は良くわからなかった)協力…?として筋が通っていると私は受け止めたので、日本じゃないのはけしからんとか中国贔屓とか怒り出すのは的外れだと感じました。
 それはそれとして、作中のNASAには中華系の人とか、色んなルーツを持つ人がいるような描写に見受けられたので、日系っぽい人もいないかな~と思いながら眺めていましたが、この人は日系!という見た目の人はいなくて、それが良いのか悪いのかはわからない。(→と思ったらリョウコという登場人物がいたらしい。どこで出てたか全く記憶にない)
でも一方で、

www.cinematoday.jp

という記事があったりして、記事によると「(原作では)アジア系として描かれていた2名のキャラクターが映画では黒人と白人に変えられた」(「白人化」もアジア系からの変更を指すらしい)とのことで、いろいろ難しいですね。

 どちらにしても原作が面白そうなので、読むのが楽しみになりました。