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けんぶつざえもん

見たり読んだりしたことについて、ときどき書きます

「裸足の季節」見てきた。

裸足の季節」と「ルーム」で二本立てだったけど、「裸足の季節」一本でいっぱいいっぱいになってしまったので後者はまた別の機会に見られたらいいな。
以下雑多に感想。ネタバレ。


冒頭の海のシーンはあっけらかんとしてたけど、日本でやっても眉を顰められるやつだと思った。学校に通報されるのが想像に難くない。10年位前の私の出身校では制服姿の在校生がお化粧して歩いてたらそれが学校に通報されるという話があった。それでも流石に家の判断で退学させられたりはしないだろうが。
で、当初祖母の仕打ちにぎょっとするんだけど、祖母独りの判断ではなく、もっとラスボスみたいな叔父がいる。
社会にそうさせられている感、というか、祖母は基本的に良かれと思ってやってる。

 

必死でフォローにまわってブレーカー落として電気を止める叔母には笑ってしまった。
コミカルで力が抜けてしまって(あと、つっかえてしまう場面も笑った)。
でも、ばれたら半殺しにされると姉妹が言ってるので、恐らく叔父の逆鱗に触れないようにというそれだけの理由で必死になっていたんだろうな。
上の世代の身内の女性たちには板挟みな面があるように思った。それに比べてあの叔父はなんなんだ?

 

田舎の旧弊という論じ方をした感想を見てなんとなく引っかかった。
学校に通える女性と通えない(正確には通えなくなる)女性の差、サッカースタジアムに行ける女性と行けない女性の差が同じ地域にもあるわけで、なんで?と思ったんだけど、家の方針が大きいのかなと。そして彼女たちの家で決定権を握っているのは叔父。

 

姉妹のうち長女と次女の結婚は明暗を分けた。
とはいっても次女の夫も恐らくそんなに(叔父ほどには)悪い人ではないんだろうとは思うのですが、それはたまたま悪い人でなかった(推定)だけで。決定権が実質ないこと自体が絶望的。
問題の初夜のシーツの話(処女検査も…)、有り得なくて笑ったという感想も見かけて、でもこれと同じ話どこかで見た気がするんだけどなあ…とは思ったものの、ひょっとしたらどこか外国の歴史の話と混同してるかもしれない。

 

更に性暴力の気配でぞっとした。
姉妹たち(の処女)を守るため、という名目の家の中で振るわれた暴力。絶望的。
私自身は三女と四女のことかなと思いながら見ていたのだけど、でも言い方悪いがあれだけ処女に商品価値を見出す人がそんなことするのかな?と思った。価値を損なわないやり方で行われる虐待も有りうるとあとから気づいて暗澹とした。次女にも影響が及んでいたのではというレビューとか。

姉妹が5人いたからこそできたことで、これがひとり娘だったらよほどの手腕がないとどうにもならないかもなあとか、実際どうにもならない女性がたくさんいるんじゃないかなあと思ってしまう作品だった。トルコがひどいというわけではなくて。どこにでも。
わりとマッドマックス怒りのデスロード。閉じ込めるための家が要塞になるの象徴的だった。

 

原題は野生の馬を指す「ムスタング」らしい。姉妹の、特に五女のイメージとぴったりの題だと思う。
裸足の季節」というタイトルの由来が私にはいまいちぴんとこなかったけれども、サンダルを履いてて運転手のお兄さんに何か言われて(覚えてないしニュアンスがちゃんとくみ取れない。都会ではサンダルが流行っている的な?)、次のときには赤いおしゃれな靴を履いてお兄さんに車の運転を教えてもらってちょっと靴を褒められるのが印象的だった。でも逃げ出すときはスニーカー。私は活動的な彼女にはスニーカーのほうが似合っていると思ったけれど、履きたい靴、おしゃれな靴を履きたいように履くこと自体が、楽しみなんだよね。

 

よその方の感想で素敵だなと思ったもの

hellopoem.hatenablog.jp