けんぶつざえもん

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「スピン」ってなんだ

2015年11月10日更新のITmedia ビジネスオンライン
スピン経済の歩き方「本を愛する人」からTSUTAYA図書館が嫌われる理由

www.itmedia.co.jp


を読んでいたら、7ページ目に、

水を差すわけではないが、今の市立図書館は「子供たちの知育の場」とは到底言い難い場となっている。平成26年度の『周南私立図書館年報』を見れば、館外貸出登録者数の個人内訳で幼児は0%、小学生は4%にすぎず、23歳以上が81%を占めている。周南市において図書館は、「本好きの大人」のものなのだ。

0パーセント!?とびっくりしたので、ちょっと調べました。

平成26年度版の「周南市立図書館年報」(平成27年3月31日現在)
PDF https://library.city.shunan.lg.jp/pdf/26nenpou.pdf

p20に「館外貸出登録者数」が掲載されています。
確かに、幼児の登録者数は353人で、円グラフでは0%となっています。

しかし、周南市の人口統計はどうなっているのでしょうか。

周南市 市の人口
http://www.city.shunan.lg.jp/section/shimin/jinkou.html


 地区別年齢別人口のPDFファイルが掲載されています。
 11月10日時点で、平成27年10月31日現在のデータが載っていました。
 PDFファイルの末尾に合計があります。それを手計算して大まかに貸出登録者数とつき合わせ、利用者登録率を見ました。
(年度も違うため厳密には対応しておらず非常に強引なやり方です。計算間違いがあったら申し訳ない。)

  • 0~5歳が6,924人、これを幼児の登録者353と対応させるとすると登録率5.1%
  • 6~14歳が11,562人、これを小学生+中学生の登録者5,419と対応させるとすると登録率46.9%
  • 15~24歳が13,480人、これを16~22歳の登録者8,272と対応させるとすると(きちんと対応していませんが)登録率61.4%
  • 25歳以上は、総人口147,601人から上記3つを引いて115,635人、これを23歳以上の登録者61,193人と対応させると、登録率52.9%

 総人口は147,601人で、全館登録者数75,237と対応させると、総人口のうちおよそ半数の人が利用登録をしていることになるでしょうか。

 この数値をどう読むべきかはわかりませんが、少なくとも、小中学生および十代から大学生程度までに関しては、貸出登録率は、大人に比べて目だって低いとはいえません。そもそも子どもが少ないのですから。(こういうときのために年報に登録率を載せてあるといいなとは思いました)
 "周南市において図書館は、「本好きの大人」のものなのだ。"という表現が当てはまるとは思えませんでした。